【シルバーネット6月号掲載】孫へ教育費をあげることについて

相談者:孫の教育費がかかるようになってきたので、孫に教育費をあげたいのですが、これって贈与になるのですか?なにか問題になることはありますか?

佐藤:きちんと教育費として使う場合には問題ありません。しかし、親が預かってそれを貯めると家計の財産、つまり親の財産として考えられることが多いです。「もらったお金は誰の管理下にあるか」が重要です。

相談者:孫はまだ高校生だから、親が管理していると思います。

佐藤:税務的立場から言うと、孫にあげたお金であっても、親が管理している場合には、家計の財産という認識になります。家計の財産として税務署から指摘されてしまうリスクは理解した上で行ってください。

相談者:どうすることがよいのでしょうか?

佐藤:もらったお金は、都度孫のために使ってあげる、または贈与でもらったことにしましょう。証拠が必要ですので、贈与契約書の作成が必要です。孫の将来のためや、進学の費用のために貯めてあげたいという気持ちで孫の名義で貯蓄することは、「名義預金」になってしまいます。自身のお金を貯蓄して、必要なときは、その貯蓄から捻出するという方法を取って頂けると、より安全です。

相談者:お金の管理が大変そうですね。

佐藤:ここまでしっかり管理されている方は、少数派です。しかし、せっかくあげた教育費で子や孫があとで困らないように、税務署から指摘されるリスクも説明した上で、きちんと渡してあげてくださいね。

相談者:そうですね、孫のためにもしっかり対処したうえで、教育費を渡してあげたいですね。